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RELEASE
2025.03.24

三井不動産レジデンシャルとスタートアップが出会い、新たな事業創出を目指す。「OPEN INNOVATION PROGRAM 2025」開催

三井不動産 ベンチャー共創事業部と三井不動産レジデンシャルは、2月13日(木)、「OPEN INNOVATION PROGRAM 2025」を実施しました。

三井不動産レジデンシャルとスタートアップが出会い、新たな事業創出を目指すことが目的となる今回。三井不動産レジデンシャル Life-styling×経年優化推進部の大島優紀氏、事業創造部の仲本裕子氏、三井不動産 ベンチャー共創事業部の太田にプログラムに懸ける思いを聞きました。

次の「すまい・暮らし」のスタンダードを作る。三井不動産レジデンシャルがスタートアップと出会う理由

三井不動産レジデンシャルは、新築分譲マンション、戸建て分譲住宅、賃貸住宅、さらにはシェアリング型賃貸住宅や多拠点居住サービスなどを展開しています。

中でも今後は、新たなビジネスを共創できるスタートアップと出会うことで、次の「すまい・暮らし」のスタンダードを作りたいと考えています。

特に大島氏が所属するLife-styling×経年優化推進部は、同社のブランドコンセプトである「Life-styling × 経年優化」を商品に反映させることがメイン業務。改めてこのコンセプトに込める思いを、次のように説明します。

三井不動産レジデンシャル Life-styling×経年優化推進部 大島 優紀氏

大島氏「『Life-styling × 経年優化』というコンセプトには、お客様のさまざまなライフスタイルに応え続け、時の深まりとともに愛着と潤いが増す、すまいと暮らしを提供したいという思いが込められています。そのため、利便性はもちろん、人と人とのつながりや時間の経過とともに豊かさを感じられるような住宅の提供を目指しています」

こうしたコンセプトを体現するため、近年、新しいサービスの開発にあたり、他社との共創を重視しているそうです。

大島氏「一社単体だけでできることの限界やインパクトを考慮し、さまざまな企業様と協力して新しいことに取り組むことが必要だと考えています。われわれが強みとするハード面だけでなく、ソフト面も生活や暮らしをより良く変えるための大きな影響力を持っていますよね。このようにハードとソフトの両面からブランドコンセプトを体現していくためにも、さまざまな企業様と共に新しいことにチャレンジしたいと思っています。今回の機会を通じてスタートアップの企業様と出会い、新たなサービスの開発にぜひつなげていきたいです」

同じく今回参加した事業創造部は、個人が自由に拠点を選択しながら生活するライフスタイルを提供するサービス「n’estate(ネステート)」の展開や、趣味やライフスタイルに特化した住宅(目的特化型住宅)の開発を行っています。

三井不動産レジデンシャル 事業創造部 ​仲本 裕子氏

仲本氏「現在注力しているのは、新たな目的特化型住宅の開発です。これまでに、一人暮らし女性にフォーカスしたシェアリング型賃貸レジデンスや、防音型マンション、民泊住宅などを提供しているのですが、また違った切り口の商品開発はできないか、さらなる検討を進めています。また、『n’estate』についても、地方の既存住宅をリノベーションし、新たな価値を付加して提供するといったことを展開しています」

今回のプログラムでは「自分たちでは思いつかないような新しい技術やアイデアを持つスタートアップ企業様と出会い、共に新たな価値を創造したい」と、意気込みを語ります。

仲本氏「特に期待するのは、AIやデジタル技術等を活用した新しい暮らしの提案です。例えば、趣味やライフスタイルに特化した住宅開発において、スタートアップ企業様の技術と掛け合わせることで、住宅デベロッパーだけでは実現が困難な、より魅力的で豊かに暮らせる住宅を提供できる可能性が広がります。これまでも、地方創生や民泊運営に関連するスタートアップ企業様と連携した経験がありますが、今後はさらに積極的に、幅広い分野の企業様と出会いたいと考えています。イベント後には具体的な協業に向けて対話を深めていきたいですね。『新しいすまいとくらしの選択肢を提供する』という目標にもっと近づけていきたいです」

5社のスタートアップが集結。三井不動産レジデンシャルへ、協業案を提案

ここからは、プログラム当日の様子を紹介していきます。

オープニングでは、Life-styling×経年優化推進部 カーボンニュートラル推進グループ長の橋本氏、事業創造部 事業創造グループ長の小林氏があいさつ。ニーズが多様化している現在、そこにマッチした新商品を開発していくためにも良きパートナーと出会いたいと、今回のプログラムに期待を寄せます。

続いて、5社のスタートアップによるピッチとQ&Aを実施。今回、ピッチを行った5社を順番に紹介していきます。

株式会社ぴんぴんきらり

代表取締役 小日向 えり氏

1社目は家事代行からベビーシッター、ペットシッターまで、完全オーダーメイドの家庭サポートサービス「きらりライフサポート」を提供する、株式会社ぴんぴんきらり。同社は、高齢者の空き部屋を学生に貸し出して共同生活を送る「ソリデール」や、シニアにペットのお世話をしてもらえるマンションなどを協業案として提案しました。

小日向氏のコメント

「事業を開発している方々と直接話せる貴重な機会でした。本来、このような協業はスタートアップ側から提案することが多いのですが、今回は三井不動産レジデンシャルさんが主催。大企業との協業は形だけという印象もある中、三井不動産レジデンシャルさんは本当に真剣に考えてくださっていると感じました。私たちにはマンションを建てるようなリソースはありませんが、三井不動産レジデンシャルさんのリソースを活用させてもらうことで、これまでできなかったワクワクする挑戦を実現できればと思います」

ゲシピ株式会社

代表取締役CEO 真鍋 拓也氏

2社目は、「楽しいから好きになる。好きだから習得できる」という教育サイクルを掲げ、eスポーツ英会話を提供するゲシピ株式会社です。eスポーツ英会話と宿題に取り組む特別プログラムを、マンション共用部で提供する協業案を提案しました。

戦略担当 小泉 諒氏のコメント

「すまいや暮らしなど、あるテーマに特化したプログラムはなかなかないので、とても興味深い分野ですね。私たちは教育サービスを提供しているので、どうしても年齢が上がると、ユーザーは卒業してしまいます。でも、マンションなどのすまいはライフステージの変化とともに長く愛される場所であり、新しく人も入ってきます。そんなすまいを、少しでも活気づける一端を担えればと思います」

株式会社ラングレス

CEO 代表取締役 山入端 佳那氏

3社目は、愛犬の心を読み解くデバイス「イヌパシー」を提供する、株式会社ラングレスです。データ活用型の住宅設計やスマートペットケアシステムの導入など、ペットの飼い主が暮らしたくなるレジデンスづくりを提案しました。

山入端氏のコメント

「とにかく、三井不動産レジデンシャルの方々の熱量がすごかったです。皆さん、具体的な連携イメージを抱きながら的確な質問をされていたのが印象的で、とても刺激を受けました。また、意思決定者の方々が多く参加されているのも、印象的でしたね。ペットと飼い主の暮らしという観点で見ると、日本はアメリカと比べて、まだまだインフラが追いついてないと感じます。そこを変えていけるのが、三井不動産レジデンシャルさんのような会社だと思っており、不足している技術があれば私たちも積極的に協力していきたいです」

株式会社Kids Public

代表取締役 橋本 直也氏

4社目は、24時間、どこからでも産婦人科医・小児科医・助産師に相談することができるオンライン健康医療相談サービス「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」を提供する、株式会社Kids Publicです。マンションなどの建物内に専用ブースを設置し、遠隔診療システムを活用することで病院が閉まっている時間帯でも診療を可能にする協業案を提案しました。

橋本氏のコメント

「今回のイベントで一番驚いたのは、意思決定に関わる方々が出ていたこと。普段、事業を作っている方々と直接話せる、とても貴重な場でした。三井不動産レジデンシャルさんと連携するとなった場合でも、大きな傘の下にぶら下がるのではなく、お互いに価値を提供し続けられるようなWin-Winの関係を築きたいです。忌憚(きたん)なく意見を交わし合いながら、良い方向に進んでいければうれしいです」

株式会社Nomad Trailers

共同創業者 柏木孝文氏

最後は、常態的モビリティを備えたトレーラーハウスやシャーシの開発・設計に取り組みながら、自然と一つになる宿泊体験サービス「THE NATURE」を運営する、株式会社Nomad Trailersです。春は桜の名所、夏は海辺、秋は紅葉の山、冬は雪景色が美しい場所と季節に合わせて別荘を自由に移動できるなど、サービスの利用イメージについて語りました。

柏木氏のコメント

「私たちも、いろいろな企業と協業する可能性を模索したいという気持ちが強く、このような場があることで、あらゆる課題に対していろいろな取り組みができるのではないかと考えています」

5社のピッチ終了後、Life-styling×経年優化推進部 部長の渡辺氏による総評で締めくくり。その後は懇親会で、さらに対話を深めました。

ピッチイベント後の懇親会の様子

三井不動産レジデンシャルとスタートアップ双方の声を聞き、つなぎ合わせ、新たな事業を生む

今回、三井不動産 ベンチャー共創事業部は、三井不動産レジデンシャルが抱える課題をヒアリングし、そこにマッチするスタートアップとの出会いの機会を提供する役割を担いました。

三井不動産 イノベーション推進本部 ベンチャー共創事業部 太田 聖

太田「今回の取り組みは、三井不動産リアルティと行った前回のプログラムにオブザーバーとして参加した三井不動産レジデンシャルのメンバーが、『私たちもやりたい』と意思表示をしてくれたことから始まりました。そして、オンラインミーティングや対面での会話を通じ、課題やニーズを丁寧に聞き出しながら、企画に落とし込んでいったんです。今回のプログラムにも別の事業部のメンバーがオブザーバーとして参加しており、また次の新しいチャレンジに着火することを期待しています」

さらに、前回のプログラムから変わった点として次の2点を挙げます。

太田「今回は生活に直結するサービスを展開するスタートアップが多く、課題解決のイメージがこれまで以上に湧きやすかったと思います。そのため、三井不動産レジデンシャル側も、連携のイメージがつきやすかったのではないかと。特に今回は、物件づくりに携わる担当者も多く参加しましたので、彼らのインスピレーションに火を付けることが推進力につながると感じています。また、今回は商品企画から実装まで、それぞれのフェーズに関わるメンバーが参加しているのも特徴であり、スタートアップとの連携を推進できる役者がそろいました。特に大島さんと仲本さんの2人には、社内のキーマンとなる管理職や関連部門の方々とも丁寧にコミュニケーションを取っていただけたことは大きかったですね。今回のプログラムの趣旨を、皆さんがきちんと理解した上で臨むことができたため、より手応えを得られたイベントになったと感じています」

大島氏と仲本氏も今回のプログラムに参加したことで大きな刺激を受けたようでした。

仲本氏「各スタートアップ企業様のプレゼンテーションを聞くだけではなく、直接議論できるプログラムというのは臨場感もあり、さらに終了後にもメンバー内で『こんなコラボは面白いかも』といったアイデアも自然と出てきたり、とても良い刺激になりました。引き続き、コラボレーションの可能性について意見交換を続けていきながら、新たな価値を提供できるすまいづくりにつなげていきたいです」

大島氏「それぞれの企業様がいろいろな角度から生活の豊かさにつながるサービスを考えており、聞いているだけでとてもワクワクしましたし、インスパイアもされましたね。通常の業務ではなかなか出会いにくい企業様とつながることができたということも、新たな可能性を広げる機会になったと思います。当社ならではの視点やお客様の暮らしの潤いにつながるような新しい要素を加えた上で、物件に実装していくことを目指したいです」

最後に太田は、今後の目指す姿について次のようにイメージします。

太田「前回のプログラムを経て、すでに参加したスタートアップと実証実験の準備が進むなど、開催して終わりではなく、その後の動きにつながっています。こうした三井不動産グループの事業部側とスタートアップとの連携を、一つでも多く生み出すことが今後の目指す姿です。今回のプログラムのテーマは、『Attachment』に設定しました。この言葉にはいろいろな思いを込めていますが、多種多様な技術や人材との融合を図る結節点となるという意味も込めています。そんな『Attachment』の事例を増やしたいですし、多種多様な技術・人材と三井不動産グループとをつなぐ役目を、引き続き担えればと思います」

既存のアイデアの掛け合わせから新しいアイデアが生まれるように、スタートアップと三井不動産グループが掛け合わさることで新規事業のタネは生まれると考えています。実証実験の準備が進むなど一定の成果も表れつつあり、この火を絶やさないように、引き続きスタートアップとのマッチング機会を創出していきます。