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2024.04.26

MIYASHITA PARKで新たな体験の創出へ。三井不動産が仕掛ける、ワイン×音楽×カルチャーを融合した体験コンテンツ

3月30日と31日、「MIYASHITA PARK」を活用し、ワイン、音楽、カルチャーが融合した都市型イベント「VIN PARK(ヴァンパーク)」を開催しました。

「VIN PARK」には、国内外から約25のワイナリーが集結。100種のワインの飲み比べが楽しめるほか、ワインと共に豪華アーティストの即興セッションライブを体験できるイベントです。また、古着やヴィンテージの販売など、ワインのある生活をさらに豊かに広げてくれる多種多様なコンテンツがあふれていました。

イベントの発端は、ワインの造り手と飲み手をつなぎたいという、VIN PARK実行委員会の想い。その想いに共感した、三井不動産ベンチャー共創事業部がパートナーとなり、共同開催に至りました。

そこで今回は、VIN PARK実行委員会のメンバー5名やコラボレーションを主導したベンチャー共創事業部の粟谷に、取り組みの裏側や今後の展望を聞きました。

ワインの造り手と飲み手がつながる。MIYASHITA PARKで生まれる新しい体験

「VIN PARK」は国内外から約25のワイナリーが集結し、造り手と一緒にワインを楽しめるのが大きな特徴です。VIN PARK実行委員会のメンバーの一人であり音楽周りを手がけた近藤氏は、ワインにある少し堅苦しい雰囲気を取っ払いたかったと話します。

近藤氏「造り手には、それぞれ独自の哲学や想いがあります。でも、そんな造り手と実際に話をしながら飲む機会ってあんまりないんです。だからこそ、このイベントでは造り手と飲み手の間にある壁を取っ払い、もっとワインをカジュアルに楽しんでほしいと思いました。さらにワインだけでなく、音楽や古着なども組み合わせることで、楽しむ敷居がぐっと低くなると思ったんです」

人との企画室 近藤 陽太 氏

同じく実行委員会のメンバーである酒井氏も、「知識がないとワインは飲んじゃいけない」という堅苦しさをなくしたいと話します。

酒井氏「ナチュラルワインという言葉を最近聞くようになったと思いますが、よく知らない人からするとまだまだ敷居が高いイメージがあると思うんです。でも、敷居を飛び越えてひとたびワインの世界に足を踏み入れると、造り手ごとに味の違いがあり、とても奥深くて面白い。そんな体験を、MIYASHITA PARKというオープンな場で提供できたら、もっと気軽にワインの魅力を知ってもらえると思いました」

六歩株式会社 酒井 かえで 氏

造り手がいることを意識した発信を行ったと話すのは、今回のイベントのPRなどを担当した若菜氏です。

若菜氏「渋谷のこの空間で、造り手飲み手の相互理解が進むことによって造り手側は新しいニーズを発見したり、飲み手側は新しい楽しみ方を発見できたりする。両者が接することで何かしらのアクションが生まれると良いなと思いました。それは、情報発信でも意識していて、SNSなどを活用し、できるだけ造り手に会いたくなるような表現を取り入れました」

株式会社グース 若菜 公太 氏

また、会場では使われなくなったモノを回収し、ゴミにするのではなく次の人につなげていく循環型プロジェクト「PASSTO」の取り組みも開催。開発に携わった田中氏は、環境に配慮した行動も気軽に促したかったと話します。

田中氏「ただ楽しむだけでなく、これだけたくさんの人が集まるのであれば、自然と循環型社会に貢献するようなアクションも促したいと思いました。そこで考えたのが、回収ボックスに不要品を投函してもらう『PASSTO』というアクションです。PASSTOには『Pass to=(次の人や未来へ)渡す』、つまりは『捨てるのではなく、次の人へ』という意味を込めました。こうした環境に配慮したアクションを今回のイベントのような場で組み込むことで、一人一人の小さな行動から自分の身の回りや街全体に循環の輪を広げていきたいと思ったんです」

ファーマーズマーケット株式会社 代表取締役 田中 佑資 氏

個性豊かなメンバーが集まり、たったの2カ月で実現。「VIN PARK」を実施した背景とは?

今回のイベントは、個性豊かなメンバーが集まった運営体制も特徴です。実行委員会のメンバーと話す中で、それぞれの熱や想いは十分に伝わってきましたが、そんな座組の強みをベンチャー共創事業部の粟谷は改めて次のように話します。

粟谷「彼らでなくては、これだけの造り手の方々を集めるのは現実的に難しかったと思います。しかも今回の準備期間は2カ月ほどで、本来であれば1年はかかる規模感です。彼らと造り手との信頼の積み重ねがあってこそ、実現できたイベントでした。その中でわれわれは、収益化を含めた事業計画の立案がメインで、資金などビジネス面のサポートをしています。サポートにおいては、われわれベンチャー共創事業部だけでなく、商業施設本部など社内の他部署も巻き込めたことは大きかったと思います。一方でイベントの中身については、ほとんど口を出さないと決めていました。それだけ、VIN PARK実行委員会のメンバーを信頼していたんです」

三井不動産 ベンチャー共創事業部 主事 粟谷 尚生

元々、ベンチャー共創事業部では多様なパートナーと次世代の街づくりに向けた事業共創を目指す「未来特区プロジェクト」も推進していました。その一環として過去には、平和酒造とタッグを組み、「SAKE PARK」なども開催しています。その中で今回は、VIN PARK実行委員会の想いに共感し、共同開催を決定。今回のイベントにかけた想いについて、企画を主導したVIN PARK実行委員会の竹田氏は、コンセプトにも触れながら次のように話します。

竹田氏「まず、VIN(ヴァン)はフランス語でワインの意味です。でも、一般の人からするとVIN PARKという名前はあまり聞き慣れないですよね。あえてそういう名前にすることで『ん?なんのイベントだろう?』と、興味を引きたいと思いました。このVIN PARKには、万博のように国籍や性別、世代を問わずいろいろなものが交ざり合っている場をつくりたいという想いも込めています。音楽も、その場所に行かないと何が聞けるか分からないという完全ライブセッションにこだわりました。それぞれのジャンルのことが好きな人たちが見ると『ワインのイベントでもないよな?』でも『音楽のイベントでもないよな?』、そんな全部を粒立てることで面白い空間が生まれると思ったんです。分かりやすいものがあふれている現代のなかで、この空間だけは曖昧さを楽しんでほしい。そうした想いを実現するために、三井不動産の存在はとても大きかったです」

六歩株式会社 竹田 潤平 氏

リアルな場とコンテンツの掛け算で新たなビジネスの創出へ。三井不動産が想像する未来

今回のイベントの狙いとしてMIYASHITA PARKとコンテンツの掛け算で、リアルな場を活用したコンテンツビジネスへの第一歩を踏み出したかったと話す粟谷。VIN PARKを一つのロールモデルとし、今後もMIYASHITA PARKなどの場を活用してさまざまなコンテンツを提供したいと話しました。

粟谷「今後は、私たちの強みであるリアルの場を活用し、コンテンツ事業をつくろうと考えています。コンテンツになるものとして今回のようなワインなどのお酒もそうですし、今後はアニメなどともコラボしていきたいですね。そうやって『SAKE PARK』や『VIN PARK』のような“〇〇パーク”のブランドを高めていくことで、たくさんの人が訪れる場をつくるのはもちろん、スポンサー様も集めることで、場をメディアのように発展させていきたいと思います。こうして出来上がったフレームは、MIYASHITA PARKだけでなく、別の場やわれわれの施設ではない場にも展開していきたい。いずれは、海外の企業ともタッグを組みながら、日本産のコンテンツを世界に展開していきたいと思います」

あらゆるもののオンライン化が進む中、今回のようなイベントにはリアルな場でしか感じえない熱気があり、パソコンやスマホの画面越しでは体感できない刺激があると考えています。今後も三井不動産ベンチャー共創事業部では、このようなリアルな場を生かしたコンテンツを手がけていきたいと思います。