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RELEASE
2025.03.06

都心の喧騒を離れた「非日常」がイノベーション創出のきっかけに。ATOMicaと三井不動産が描く未来とは|後編

ソーシャルコワーキング事業®︎を全国展開するスタートアップ「ATOMica(アトミカ)」と三井不動産が実施した、1泊2日の八ヶ岳合宿。前編では、合宿実施の背景から、ATOMicaと三井不動産の「ワークスタイル推進部」が参加した理由をお伝えしました。

後編では「利用者にとっての”行きつけ”になるための理由づくり」「ワークプレイスにおけるコミュニティの役割」など、当日に交わされた事業シナジーのためのブレスト内容を紹介。さらに、参加後の気づきからスタートアップとの連携のかたちを探ります。

人里離れた自然の中で、議論が深まった濃密な2日間

今回の1泊2日の合宿を企画・運営したベンチャー共創事業部の太田は、こう振り返ります。

「初日は『SANU 2nd Home-八ヶ岳1st』の『CREA』という広々とした棟でディスカッションを行いました。夜には、ケータリング会社さんが用意してくれたおいしい料理を囲んで、懇親会を開催。その後は『SANU 2nd Home-八ヶ岳2nd』に移動し、焚き火を囲みながら、さらに親睦を深め、それぞれ快適なキャビンでゆっくりと休むことができました。2日目は、近隣の『ダイヤモンド八ヶ岳美術館ソサエティ』という宿泊施設のラウンジを借りてミーティングを行いました。1日目とは異なる環境で、新鮮な気持ちで議論に臨むことができたと思います」

三井不動産 ベンチャー共創事業部 太田 聖

この2日間、具体的にどんな議論が交わされたのでしょうか。

「特に印象に残っているのが、『どうすれば利用者にとって”行きつけ”になるのか』という議論です。我々やATOMicaさん含め、“場”を運営する側にとって、また来たくなる場づくりが重要です。よく行く飲食店や美容室など、各々の行きつけをシェアしながら、なぜ2回目も行きたくなるのかを考えていきました。議論がどんどん広がり、予定していた時間を大幅にオーバーしてしまうほどだったんですが、それだけ皆さんが真剣に考えてくれたということなので、逆に嬉しくなる結果でしたね。議論の内容はATOMicaさん側でまとめてくれることになっており、共有されるのが楽しみです」

そのほかにも、「ワークプレイスにおけるコミュニティの役割」や「コミュマネ学校の構想」についても、深く議論しました。

「ワークプレイスとコミュニティをどのように掛け合わせていけば良いのか。ATOMicaさんから知見も共有いただきながら、それぞれの立場で意見を出し合いました。中でも最近は、スタートアップの支援施設が増えてきていますよね。三井不動産が今後開発する拠点においても、スタートアップの支援をどのようにやっていけば良いのか、コミュニティをどう機能させるべきか、皆さんと熱く議論しました。さらに、ATOMicaさんとしては今後、コミュニティマネージャーの採用を強化していく予定で、そのためには、コミュニティマネージャーという職業自体をもっと世の中に広めていく必要があり、前段となるコミュニティマネージャーの定義の明確化や育成メソッドの確立も必要です。こうした構想を具体化する方法について、話し合いました」

脳のメモリを合宿コンテンツに全振りできる。参加したメンバーの気づき

合宿に参加したメンバーは、それぞれどのような気づきや収穫を得たのでしょうか。まず、ATOMicaの嶋田氏は「議論に集中できる環境が、貴重だった」と話します。

「改めて振り返ると、全員が『合宿で共創する』ことにコミットしやすい環境でした。普段から忙しくしている面々だからこそ、脳のメモリを目の前の合宿コンテンツに全振りできる。長い時間一緒にいながら活動したので、集中して議論できたことが良かったなと思います。1日目に話題に挙がった話を夕食時に『さっきのあれってさぁ』と会話できたり、一晩寝て思考がスッキリしたうえで『昨日のあれってさぁ』と話したりする機会は中々ないなと。『考え続けることのできる環境』って、やっぱり良いなと思いましたね」

株式会社ATOMica 代表取締役 Co-CEO 嶋田 瑞生 氏

ワークスタイル推進部の岡村も、集中して議論できる点を挙げつつ、共通目標があったことで思考を継続できたと話します。

「やはり、日常の環境とは違う自然の中だったので、いつもと違う脳で臨むことができ、集中して議論できました。いろいろなバックグラウンドがあるメンバーからの多様な角度の意見も新鮮でしたね。限られた時間内にアウトプットを出すという共通目標があったことで、議論が途切れることなく、思考を継続しながら結論を導き出せたと感じます。オフィスにおいて、環境が整備されていたとしても、そこにいる人たちが使い倒せていないという課題はまだまだあると思っており、今後はそこを埋めるような活動をスタートアップと連携しながらやっていきたいです」

三井不動産 ワークスタイル推進部 ワークスタイルデザイングループ グループ長 岡村 英司

太田は、普段接点のない担当者同士が議論することで、互いの会社の理解が深まったことを収穫として挙げます。

「ATOMicaさんから見ると、三井不動産全体がどのようなことを考えているのか、どのような人材で構成されているのかを理解していただく良い機会になったのではないかと思います。役割の異なる人材が集まり、コミュニケーションを取ることができたのは、オフサイトミーティング合宿という機会があったからこそ。三井不動産の事業本部とATOMicaさんのつながりを強化できたことは非常に意義のあることだと感じています」

ベンチャー共創事業部の山田にとっては「出資先のスタートアップの熱量や思いを直接聞けた」ことも、収穫だったようです。

「関係者全員が一堂に介したことで、互いの考えを直接聞ける機会をつくれたことは非常に意味があったと思います。私は合宿前日に、 前任者からATOMicaさんを引き継ぐことになったばかりだったので、間接的な情報ではなく、当事者から直接話を聞くことができ、ATOMicaさん、ワークスタイル推進部、そしてベンチャー共創事業部、それぞれが何を考えているのかを明確に理解することができました。CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)として、出資担当が異動してしまうのは、あまり好ましい状況ではありません。スタートアップとの協業には、担当者個人の思い入れや共感が大きく影響します。引き継ぐ側の立場として、前任者からそのスタートアップのパーソナルな部分やビジョン、ミッションなどを深く理解しておくことはやはり重要であり、その良い機会になりました」 

三井不動産 ベンチャー共創事業部 山田 暁

スタートアップとの連携で、新しい到達点を目指す

最後に太田は、今後の展望について次のように語ります。

「ワークスタイル推進部が目指す『すべてのワーカーにウェルビーイングを』という大きな目標は、弊社だけで実現できるものではありません。ATOMicaさんの強みと弊社の強みを掛け合わせることで、新しい到達点を目指したいと考えています。その点、今回の合宿では、ビジョナリーな会話ができました。スタートアップ支援の拠点を提供するという視点だけではなく、ビジネスが生まれ成長するために必要な環境や街といった、より大きな単位で考えることができたことは収穫だと思います。さらに、具体的なネクストアクションまで落とし込むことができ、理想と行動、両軸での議論につながりました。初めての試みだったので、オペレーション面では反省点も多く見られましたが、改善を重ねて再現性を高めていきたいと思います」

日常的に業務をしている場所から離れ、集中しやすい環境の中で議論を行った今回の合宿。ベンチャー共創事業部はスタートアップに対する支援として、こうした新たなイノベーションの種を産む場の設計にも取り組んでいきます。

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