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RELEASE
2025.02.25

都心の喧騒を離れた「非日常」がイノベーション創出のきっかけに。ATOMicaと三井不動産が描く未来とは|前編

ソーシャルコワーキング®︎事業を全国展開するスタートアップ「ATOMica(アトミカ)」と三井不動産は、2024年11月29日~30日、八ヶ岳で1泊2日の合宿を実施しました。

会場となったのは、別荘のサブスクリプションサービスを展開する「SANU」の施設。ATOMicaとSANUは共に、三井不動産のベンチャー共創事業「31VENTURES」の出資先でもあります。

今回の合宿には三井不動産から、法人向けレンタル・シェアオフィスサービス『ワークスタイリング』などを展開する「ワークスタイル推進部」も参加。ベンチャー共創事業部がATOMicaやSANU、そしてワークスタイル推進部をつなぐことで、合宿実現に至りました。

前編では、実施した背景やそれぞれの参加理由から、三井不動産とスタートアップの共創のかたちを紐解いていきます。

スタートアップと三井不動産が、八ヶ岳で交差。合宿を実施しようと思った背景

今回の合宿を実現した経緯について、ベンチャー共創事業部の太田は、ATOMicaとワークスタイル推進部をつなぐことでシナジーを生む機会を生み出したかったと語ります。

「元々、ATOMicaさんについてはコミュニティマネージャー×オフィススペースの運営において新しいサービス開発を模索していました。一方、ワークスタイル推進部では、オフィスで働くことが『Well-being』につながる状態を目指しており、そのためにはコミュニティの存在が重要だと考えていました。そのため、ATOMicaさんにとってはコミュニティとオフィススペースの掛け算で新しく提供できるサービスを考えるきっかけに、ワークスタイル推進部にとっては、コミュニティ運営のノウハウがある企業の知見を借りる機会になればと思い、両者をつなげる合宿を企画しました。

SANU 2nd Home 八ヶ岳

今回の合宿は1泊2日で実施し、朝に都内を出発して、2日目の夜に都内に帰る形式。合計5コマのアジェンダを割り振ってディスカッションしつつ、休憩時間や食事の中で交流を深めていく設計にしました」

三井不動産 ベンチャー共創事業部 太田 聖

同じくベンチャー共創事業部でATOMicaとSANUを担当している山田は、「単なる親睦会」ではなく、「具体的な成果」を出すことを強く意識しつつ、開催場所となったSANUの課題解決も視野に入れていたと語ります。

「今回の合宿を設計するにあたり、親睦を深めることは前提にはあるものの、『アイデアの創出』『アイデアを実現するためのネクストアクションの決定』ということを大事にしていました。そのためには、やはり自己開示してお互いのことをちゃんと分かったうえで議論する。加えてノイズが少ない環境のほうがアイデアを出しやすく、自然の中でディスカッションを行うことで直感や感性が研ぎ澄まされると考えました。こうした効果を感じてもらえるよう、合宿を設計したのです。今回の合宿の拠点は31VENTURESのポートフォリオの1社である「SANU」。彼らには、平日の稼働率向上を目指し、その中で法人利用を促進できないかという課題がありました。そこで今回は裏テーマとして、私たちが合宿の舞台として利用する中で得られた知見を、SANUさんにフィードバックできればいいなという背景もあったんです。」

三井不動産 ベンチャー共創事業部 山田 暁

普段はなかなか会えないメンバーと『そもそも』に立ち返る。ATOMicaが合宿に参加した理由

ATOMicaとワークスタイル推進部のそれぞれに、合宿に参加した理由を聞きました。

まずATOMica代表の嶋田氏は、三井不動産との出会いや協業に至った経緯も踏まえ、合宿に参加した理由を改めて次のように語ります。

「元々はといえば、私たちATOMicaのオフィスとして三井不動産さんの『THE E.A.S.T.』に入居したのが始まりです。「頼り頼られる関係性を増やす。」をミッションに掲げる我々は、地域からコミュニティづくりをしていこうという思いで事業を始め、地域の人たちが集まる東京から、都内の人と地域、地域と地域を結んでいきたいと創業から決めていました。

その想いを形にできるパートナーを考えたときに、日本を代表する不動産デベロッパーである三井不動産さんとご一緒したいと考え、創業当時のピッチ資料からそれを目指す内容を入れていたんです。私の実家がある仙台でも『三井』というワードは身近でした。いろいろ調べてみると、単なる不動産ではなく、まちづくりなどに力を入れる姿勢を感じて共感する部分が多々ありました。

THE E.A.S.T.への入居を決め、実際に三井不動産の方々と話してみると改めてその熱意に惹かれ、この人たちと絶対に仕事をしたいと思いました。そして現在は、三井不動産さんとベンチャー共創事業に取り組むことはもちろん、ワークスタイリングの運営などを任せていただいています。

今回の合宿では、ワークスタイリングのリブランディングや弊社の事業開発において、『そもそも』に立ち返ることができました。忙しいメンバーばかりの中で普段の短いミーティングでは深く掘り下げられない課題も、場所を変え集中的に議論することで、多くの気づきを得られると感じました。」

株式会社ATOMica 代表取締役 Co-CEO 嶋田 瑞生 氏

ATOMicaのコミュニティマネージャーである宮崎氏も、現場の視点から合宿に参加した理由を話します。

「コミュニティマネージャーの役割として一貫しているのは、入居者の方々のお悩みやご要望を引き出し、それを解決できる人とつなぐという『人と人とを結ぶこと』です。コミュニティマネージャーにはさまざまなバックグラウンドを持つ方がいますが、共通しているのは人が好きで、地域に貢献したい、地元のために何かしたいという想いを持っていること。とはいえ、まだまだコミュニティマネージャーという職業自体が確立されていない中、今回は現場の視点から見えてくる課題や気づきを提供することで、コミュニティに対する解像度が高まったり、議論が深まったりすると良いなと思って参加しました」

株式会社ATOMica コミュニティリード 宮崎 朋佳 氏

「働きやすさ」と「働きがい」。三井不動産が、ATOMicaと共に実現したい世界

対してワークスタイル推進部の岡村は、ATOMicaのコミュニティ運営のノウハウを取り入れたいと言います。

「『失われた30年』と呼ばれる時代の中、従業員やオフィスはコストと見なされ、企業内での人への投資が抑制されてきました。また、コロナ禍を経て、リモートワークが浸透し「働きやすさ」は向上したが、人と人のつながりが希薄な状態になってしまいました。

今、企業経営において、人的資本経営、Well-being推進が注目されていますが、企業が生産性を向上させるためには、「働きやすさ」だけではなく、働く意味や、一体感、仲間意識をもって働く、といった「働きがい」が重要だと考えています。

この「働きがい」の鍵となるのがコミュニティです。ATOMicaさんが培ってきたコミュニティづくりのノウハウを活かし、ATOMicaさんと共に、「場」と「コミュニティ」を提供することによって、一人一人が「働きがい」をもって活き活きと働き、企業に生産性をもたらし、それが社会を更に良くしていく、そういった世界を実現したい、という思いで今回の合宿に参加しました」

三井不動産 ワークスタイル推進部 ワークスタイルデザイングループ グループ長 岡村 英司

ワークスタイリングの立ち上げに関わった讃井も、現在の課題感を踏まえて合宿に参加した理由を話してくれました。

「2013年に本部内の新規事業提案企画があり、有志チームでワクスタの原型となるシェアリングワークプレイス事業を提案しました。発端は『ICTの進歩でオフィスが不要になるのでは』という危機感でした。『テレワーク時代の新しいオフィスのあり方』を妄想し新事業を構想しました。例えば営業の方々が本社に戻らずとも働くことで生産性を高めることができたり、育児中の方が自宅の近くで働けることで子育てと仕事を両立できたり、という絵姿を目指し、ワークスタイリング事業がスタートしたのです。

そこから12年が経過し、withコロナ期にリモートワークが一気に広がり、女性の就業率も増えました。一方でシェアオフィスのサービスが増える中で競合環境が激化しています。差別化のためには、単に快適に働ける場だけではなく、ソフトサービスを提供することで付加価値を高める必要があると感じています。その付加価値の1つが、コミュニティだという仮説を持っています。今回の合宿では、ATOMicaさんと連携することで、どのような形で付加価値を高めることができるか、議論できればと思っています。」

三井不動産 ワークスタイル推進部 ワークスタイリンググループ 讃井 浩太

それぞれに強みを持つATOMicaと三井不動産が、交差した今回の合宿。後編では、非日常における合宿でどのような議論がなされ、何を生み出し、どんな気づきを得たのかを紹介していきます。

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