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2023.11.28

さらなる協業の推進を目指して社内向けウェビナーを開催!株式会社Luup 代表取締役社長兼CEO 岡井氏登壇

 三井不動産は、23年4月にコーポレートベンチャーキャピタルファンド「31VENTURES Global Innovation Fund 2号」を通して、電動マイクロモビリティのシェアサービスを展開する株式会社Luupへの出資を実行しました。その後、日本橋室町エリアのオフィスビルでのポート設置や京都エリアの三井ガーデンホテル宿泊者向けプランなどの共同事業を行っています。今回は、さらなる協業を推進するために、株式会社Luup 代表取締役社長兼CEO 岡井大輝氏に社内向けのウェビナーに登壇いただきました。

【本記事のポイント】
・31VENTURES出資先の株式会社Luup 代表取締役社長兼CEO 岡井氏が、当社の社内向けウェビナーに登壇
・当社グループのオフィスやホテルへのLUUPのポート設置に加えて、安全講習会等への協力も実施
・さらなる協業推進を目指して、オフィスビルやマンションにLUUPのポートを導入するメリットや安全への取り組み、23年7月の法改正とその反響等について解説
・不動産オーナーにとって、LUUPのポートを導入する4つのメリット

株式会社Luup 代表取締役社長兼CEO 岡井大輝

東京大学農学部卒業。その後、戦略系コンサルティングファームにて上場企業のPMI、PEファンドのビジネスDDを主に担当。その後、株式会社Luupを創業し、代表取締役社長兼CEOを務める。2019年5月には国内の主要電動キックボード事業者を中心に、新たなマイクロモビリティ技術の社会実装促進を目的とする「マイクロモビリティ推進協議会」を設立し、会長に就任。

ハードとソフト両方のプロダクトを創り、企業や自治体と連携しつつ、データで繋ぐという全てを運営

 当社は電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービスを運営しています。「ハードウェア」と「ソフトウェア」をプロダクトとして創った上で、行政や地方自治体、大企業と連携をしながら、街におけるオペレーションや営業をデータで繋いでいくという4つを回している会社という定義をしています。

 この4つを運営していることが重要だと思っています。例えば、多くの自動車メーカーはハードウェアに強く、ライドシェアを運営している企業はマーケティングやソフトウェアが強いですが、当社はこの4つ全てを重要視しています。当社は、様々な企業や自治体と組ませていただいていますが、その理由はこの4つを営んでいることだと思っています。

 現在は電動キックボードと電動アシスト自転車を提供しており、スマートフォンアプリを通して乗ることができます。具体的にはお借りした不動産1区画から別の区画まで乗っていくというモデルをとっています。コンビニやマンション、オフィスビルに加えて銀行の支店などにもポートを設置しています。登録にあたってはアプリの「LUUP」ダウンロード後に年齢確認書類の登録や、警察と一緒に作成した安全啓発のための交通ルールテストに全問連続で正解することが必要です。その後、設置されたポートで電動キックボードや電動アシスト自転車を選択し、車体のQRコードをスキャンすると、ロックが解除されるという流れになります。

 ポート数は4,500を超え、展開エリアは東京・横浜・宇都宮・名古屋・大阪・京都・神戸・広島の8都市ですが、離島や過疎地を含めて観光客が多いもののタクシーなど既存の交通手段では補えない交通課題を抱えている地方のエリアでは地元企業と連携した運営をスタートしています。当社は、交通課題を解決するネットワーク価値を不動産に付与することによる街全体の価値向上を目指して、三井不動産と資本提携を実施しました。

 例として、オフィスビルの物件価値向上のモデルとして説明した図がこちらです。まずオフィスやマンションでLUUPを使いたいという要望からスタートします。その後、LUUPのポート設置により入居者の利便性が向上することで周辺物件と差別化され、入居率が上がることで収入が上がり、それを利用者に還元できるという循環に取り組めます。このような価値創出により、企業に長期間にわたってオフィスに入っていただく、もしくはテナントを誘致する手段として使ってもらいたいです。

 協業事例としては、日本橋室町エリアのオフィスや京都の三井ガーデンホテルへポートを設置させていただいています。京都や大阪は特にホテルからのお問い合わせを多くいただいていますが、ホテルからLUUPに乗っていただくことで、観光をより長く楽しんでもらえることを目指しています。

約30年ぶりの法改正により、電動キックボードと自転車が同じようなルールに

 2023年7月1日に道路交通法が約30年ぶりに改正されました。法改正前は、電動キックボードは原付バイクと同じ扱いで、時速30kmを出しても問題ないなど世界的に見ても速いスピードを許容する法令でした。そこで、政府は最高速度が時速20km以下という条件を付けることで自転車と同じようなルールを定め、自転車同様に運転免許不要、ヘルメット着用についても自転車と同じく努力義務へ変更されました。一方で、16歳未満の方はLUUPに乗れないため、全ての利用者にパスポートや運転免許証、マイナンバーカードなど年齢を確認できるものを必ず提出してもらっています。

 今回、30年ぶりの法改正が注目を集めたこともあって、特に30代以降の社会人の認知が大きく向上したと感じています。法改正前に比べ、法改正後には電動キックボードをより好んで乗ってもらえるようになりました。交通ルールがシンプルになり、よりわかりやすくなったことが大きいと考えています。

 今回の法改正にあわせてMIYASHITA PARKと渋谷区、渋谷警察署とともに、安全啓発に向けたメディア向けイベントと安全講習会を実施しました。今後も自治体や警察と協力し、渋谷に限らず様々なエリアで安全講習会を継続的に実施していく予定です。また、テスト内容がユーザーにとってわかりやすいものになっているか定期的にアンケートをとりながら、警察と一緒にアップデートしていく予定です。

不動産オーナーにとってLUUPのポートを導入する4つのメリットとは

 不動産オーナーにとって、メリットは大きく4つあると考えています。まず1つ目が地域活性化への貢献です。物件が地域における移動のハブとなることで街のインフラになったという声をいただいています。2つ目が入居者の利便性向上です。例えば、テナントに入っている店舗の従業員が閉店までいると終電に間に合わなかったけれど、LUUPに乗って帰れるようになったという声もいただいています。3つ目は、放置自転車や違法駐輪への処置です。不動産の空きスペースに放置自転車が置かれてしまい、対策に追われるケースも多いですが、ポートがあることで放置自転車が置かれづらくなったり、置かれた場合でも当社が対応することで、不動産の景観や安全性を維持できるという声をいただいています。最後に4つ目は、維持管理コストがかからないという点です。導入時やそれ以降の維持管理も当社が行いますので、場所を提供いただければ全て当社でやらせていただくという形となっています。

 当社にとって重要な安全に対する取り組みですが、電動キックボードは、電子制御により最高速度が時速20kmを超えないようになっています。また、事故や交通違反の発生時には警察と連携をしています。まだ黎明期であり、全体の1%もいない一部の違反者が違反を繰り返すことでLUUP利用者全体の印象が悪くなってしまうことを避けるために、厳しい処置をしています。

ミッションである「街じゅうを『駅前化』するインフラをつくる」実現に向けて一緒に議論していきたい

 当社は「街じゅうを『駅前化』するインフラをつくる」というミッションを掲げています。数十年前に鉄道事業者が鉄道を敷設し、駅を中心としたエリア開発をしたことと同様に、当社は駅から離れた場所や駅前の施設の両方で交通モビリティを実装することでエリアの価値を高め、入居者が増えて、不動産としても潤う手段となることを望んでいます。オフィスやレジデンス、ホテル、商業施設など全てのアセットの価値向上を実現していけると思っていますので、LUUPのポートを設置することでどのように価値が向上するのか、ぜひ三井不動産と一緒に議論をしていきたいと考えています。どのような人がどこから来ているか、どのぐらいの入居者に使われているかなども分析できますので、データ連携も含めて要望も受け付けています。ぜひよろしくお願いします。