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2022.05.19

【31VENTURES CVC】 Collaboration Field ―第6回 MaaS・農業編―

スタートアップのサービス・ビジネスモデルと三井不動産のリソースを掛け合わせ、新たな事業の創出を目指す三井不動産31VENTURES。31VENTURESには、三井不動産各事業部との橋渡しとなる担当キャピタリストがおり、スタートアップとの共創の可能性を日々模索しています。インタビュー「Collaboration Field」では、それぞれのキャピタリストの視点から三井不動産が取り組む多様な事業の紹介を全6回の連載でお届け。実際の共創事例や、今後注目している領域について語ってもらいました。

最終回となる第6回は、31VENTURESでMaaS分野と農業分野の投資・協業を担当している江尻修平。協業事例や、今後の展望について話を聞きました。

これまでの経歴と、今回ご紹介いただく事業部について教えてください。

前職で自動運転関連の事業に携わっており、2020年に三井不動産に入社しました。
現在は、新事業として取り組んでいる、MaaS分野と農業分野を担当しています。

MaaS分野では、子会社である株式会社ShareTomorrowを中心に、街で暮らす人々に新たな体験価値を提供することを目的に、ヒト・モノ・サービスの「移動」に着目した事業に取り組んでいます。
具体的なサービスとしては、移動販売の商業プラットフォーム「MIKKE!」、目的地と移動手段をセットで提供する不動産MaaS「&MOVE」、移動式ユニットを活用し遊休不動産にリアルに集う場所を創出する「HUBHUB」プロジェクトを行っています。

農業分野においても、2つの子会社を中心に農業事業を行っています。
都心近郊地域における持続可能なスマート農業を掲げ、生産・加工一体型の農業事業を行う三井不動産ワールドファーム株式会社と、ブルーカラーでもホワイトカラーでもない、より人間らしく、自然と生きるグリーンカラーを掲げ、日本品種の高級ぶどうを日本とニュージーランドの二拠点で栽培・販売する株式会社GREENCOLLARです。

「なぜ不動産会社が農業を?」と思われる方もいるかもしれませんが、土地の価値を向上させるという意味では、不動産業にとても近い領域だと思っています。

これまでにスタートアップと協業した事例を教えてください。

「&MOVE」では、2019 年より資本業務提携を行っている MaaS Global 社(フィンランド)のアプリを活用しています。直近では株式会社NearMeとシェアード・シャトルサービスの提供を始めました。

また、三井不動産ワールドファームの冷蔵加工工場においては、温湿度管理にセンスウェイ株式会社のセンサーを、工場内監視カメラにクリューシステムズ株式会社のカメラ・AI機能を、顔認証入退室管理にセーフィー株式会社のシステムを、圃場モニタリングにベジタリア株式会社のシステムを導入しております。

これからどんなスタートアップと協業/共創したいと考えていますか。

MaaS事業においては、「nearMe」(株式会社NearMe)のような新しいモビリティサービスをどんどん追加できるとおもしろいと思っています。また、単なる移動手段や移動販売というだけでなく、趣味嗜好や過去の履歴などのデータを分析し、さらなる最適化を進めていくとより便利なサービスを提供できると感じています。

個人的には、MaaSを使って公共交通で商業施設に行き、買ったものは即時自宅へ配送、荷物なく周辺施設を楽しんで、公共交通で帰る、家に帰ったら買ったものが到着している、といった一連の体験を実現できないかな、と思っています。ここまですると、MaaSの原義である“所有から利用へ“が成し遂げられますし、自家用車の移動が減れば脱炭素社会実現にも貢献できます。

農業事業においては、まずは農業の効率化、最適化を推進する技術には注目したいと思っています。収益性との兼ね合いが非常に難しい分野ではありますが、ロボットや機械学習の活用など、まだまだ可能性のある分野だと感じています。また、投資先としてアグリメディアさんがいますが、気軽に始められるサービス付き貸農園や農業人材紹介事業を通じて、農業に関わる人を増やし、農業の持続可能性の向上に寄与していると感じており、そういった農業自体の裾野を広げ、農業の関連人口を増やすような取り組みも、進めていきたいと考えています。