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COLUMN
2022.05.12

【31VENTURES CVC】 Collaboration Field ―第5回 ホテル・リゾート編―

スタートアップのサービス・ビジネスモデルと三井不動産のリソースを掛け合わせ、新たな事業の創出を目指す三井不動産31VENTURES。31VENTURESには、三井不動産各事業部との橋渡しとなる担当キャピタリストがおり、スタートアップとの共創の可能性を日々模索しています。インタビュー「Collaboration Field」では、それぞれのキャピタリストの視点から三井不動産が取り組む多様な事業の紹介を全6回の連載でお届け。実際の共創事例や、今後注目している領域について語ってもらいました。

第5回は、31VENTURESでホテル・リゾート分野の投資・協業を担当している中野舜一郎。協業事例や、今後の展望について話を聞きました。

これまでの経歴と、今回ご紹介いただく事業部について教えてください。

2013年に三井不動産に入社し、高級賃貸マンション開発・営業企画や、ラグジュアリーホテルの用地取得・開発・運営・分譲業務に従事してきました。
現在31VENTURESで、ホテル・リゾート分野を担当しています。

三井不動産では、宿泊主体型ホテルとして「三井ガーデンホテルズ」「ザ セレスティンホテルズ」「sequence」の3ブランドを展開しています。また、ラグジュアリーホテルとしては自社ブランドである「HOTEL THE MITSUI KYOTO」「ハレクラニ沖縄」の他、世界のラグジュアリーブランドとの事業展開である「AMANEMU」「FOUR SEASONS HOTEL TOKYO AT OTEMACHI」を行っています。リゾートホテルとしては、「鳥羽国際ホテル」「NEMU RESORT」「はいむるぶし」の3施設と、加えてゴルフ場も展開しています。

「sequence」では全館で顔認証を導入し、非対面のチェックインを実現したほか、一部の館ではカードキー不要の入室・施設利用を実現するなど、革新的な取り組みも行っています。

また、コロナ禍でテレワークが主流になった時勢を捉え、「住まいをもっと自由に、もっと気軽に、もっと楽しく」をコンセプトに、ホテルでの新しい「住まいと暮らし」の形をご提案する「サブ住む」という月額定額プランを販売しています。

どのような技術/サービスを求めていますか? また、今後注目している業界や領域はありますか。

担当としての主観的な視点ですが、大きく分けて次の三つがあります。

一つ目は、売上向上に資するサービスです。具体的には、自社予約を増やすサービスや、ブランディング向上に繋がるサービス、レベニューマネジメントシステム、稼働率が低い閑散期でも稼働率を上げられるサービスなどです。アフターコロナにおいては、インバウンド集客に資するサービスも求められるでしょう。

二つ目は、業務効率化に資するサービスです。従業員のコミュニケーション円滑化やスキルサポート、タレントマネジメントを行えるサービスや、ロボティクス・IoTデバイスを利用した業務のスマート化、在庫管理・棚卸サポート、清掃・リネンの効率化、リモート業務支援を行えるサービスなどが考えられます。

三つ目は、顧客体験を向上させるサービスです。旅ナカ支援、滞在中の顧客課題の解消に加え、ことコロナ禍においては、ゲストの安心・安全に資するサービス、例えば、非接触型チェックインなどのスマートな感染防止対策も重要だと考えています。

コロナ禍の現在においては、売上向上の余地がどうしても限定的になってしまうので、業務効率化、筋肉質な体制を作れるサービスがあると良いと思います。ただ、往々にして投資利益率を期待しにくい分野なので、費用対効果のあるサービスを常に望んでいます。

これまでにスタートアップと協業した事例を教えてください。

主にインバウンド旅行者向けに、宿泊施設・空港・商業施設間の手荷物当日配送サービスを提供する株式会社Airporterへ2020年4月に出資し、東京都内の「三井ガーデンホテルズ」全館など、計14施設で正式採用済みです。

また、出資先以外でも積極的に協業に取り組んでおります。ヘリコプターのチャーターサービスを提供する株式会社AirXとは、2021年に「AMANEMU」で正式に就航契約を締結しました。

その他、三井不動産のホテル・リゾート分野においては、メトロエンジン株式会社、株式会社TableCheck、ミラーフィット株式会社などと協業実績があります。

これからどんなスタートアップと協業/共創したいと考えていますか。

ホテル・リゾート分野は、現在はコロナ禍で大変な状況ですが、いずれコロナが収束すれば、必ず盛り上がる業界だと信じています。特に、デジタル化の進展によりリモートワークやオンラインショッピングが進んでいる中で、旅行はデジタルでは代替できない価値を提供できるものだと思います。インバウンドもアフターコロナにおいては今まで以上に増加することを期待しています。

ホテルは日々の売上変動が大きいビジネスであり、かつ単館でのサービス導入となると費用対効果を出すことが難しい領域ですが、できるだけ費用対効果が出せ、お客様・スタートアップ・当社とがWin-Win-Winを目指せるサービスを提供いただけるスタートアップと協業したいと考えております。