imgimg
imgimg

NEWS

CONTACT

img
お知らせ

COLUMN
2022.04.07

【31VENTURES CVC】Collaboration Field ―第1回 住宅編―

スタートアップのサービス・ビジネスモデルと三井不動産のリソースを掛け合わせ、新たな事業の創出を目指す三井不動産31VENTURES。31VENTURESには、三井不動産各事業部との橋渡しとなる担当キャピタリストがおり、スタートアップとの共創の可能性を日々模索しています。インタビュー「Collaboration Field」では、それぞれのキャピタリストの視点から三井不動産が取り組む多様な事業の紹介を全6回の連載でお届け。実際の共創事例や、今後注目している領域について語ってもらいました。

第1回は、31VENTURESで住宅分野の投資・協業を担当している加藤慎司。協業事例や今後の展望について話を聞きました。

これまでの経歴と、今回ご紹介いただく事業部について教えてください。

2002年に三井不動産に入社し、住宅開発事業において都心マンションの開発や、国土交通省などの公共機関や経済団体対応を担当してきました。

現在は、これまで経験してきた住宅開発事業の知見を活かし、三井不動産レジデンシャルや三井ホームなど、住宅関連の当社グループ会社に対して、共創の橋渡しを行っています。具体的には、分譲・賃貸マンション、戸建、仲介、インテリアデザイン、リフォーム、マンション管理などの、すまい・暮らしに関わる領域全般を担当しています。

どのような技術/サービスを求めていますか? また、今後注目している業界や領域はありますか。

住まいは、大きく分けるとハードとソフトに分かれています。ハードは建物に関わるものとなっており、数十年単位で安全性や品質において確実なモノを提供する必要があるため正直スタートアップとの協業は難しいと考えています。

ソフトでは、住宅居住者向けのメンバーシップサービス「三井のすまいLOOP」を提供しており、ハウスクリーニングや家事代行をはじめ、各種お勧めサービスの紹介など幅広く展開しています。その中で、スタートアップとも連携したサービスを展開しており、整備士が自宅に訪問して車の整備を行う「Seibii」(株式会社Seibii)や、レジャー予約サイト「アソビュー!」(アソビュー株式会社)での特別優待などを用意しています。このような、お客様のくらし全般に関わるサービスであれば、幅広く関心があります。

また別の視点では、建築の設計・施工や各種契約等の手続きの効率化につながるサービスにも関心がありますね。

これまでにスタートアップと協業した事例を教えてください。

すでに「三井のすまいLOOP」にてさまざまな協業を行っておりますが、当社の強みを活かした連携でいうと株式会社ビビッドガーデンの「食べチョク」があります。「食べチョク」は、品質にこだわる農家・漁師から旬の食材を直接お取り寄せできるオンラインの直売所として展開していましたが、1家族で手配しようとすると配送料が高くなってしまうことが課題でした。
三井不動産レジデンシャルでは、500戸以上の大規模マンションで「食べチョク」と協業し、マンション居住者の方にECサイトで事前注文していただき、指定日に共用部で配布するという、マンション単位でのおまとめ販売を実施しています。一度に多くの食料品を届けることで配送料は抑えられ、小ロットでの販売を実現し、新鮮でおいしい食材を住民に届けることができます。

またグロース事業から出資したカメラのクラウドサービス「Safie」(セーフィー株式会社)は、三井ホームの施工現場で採用されています。建設業界では、熟練技術者の高齢化が課題となっていますが、「Safie」のウェアラブルカメラを活用することで、熟練技術者による現場への遠隔指示が可能になります。安全性が高く効率的な工事を実現していきたいですね。

これからどんなスタートアップと協業/共創したいと考えていますか。

ハードでのスタートアップ連携は難しいとお伝えしましたが、省エネ化、脱炭素に関するスタートアップの技術には期待をしています。住宅開発事業に長く関わってきましたが、住宅の省エネ化については、以前から多くの取り組みが行われていますが、まだまだ足りません。

日本の伝統的な住宅は窓やふすまなど開口部が多いのが特徴ですが、そういった従来からの特徴を失わずに省エネ効果を上げる革新的技術などがあればいいなと思っています。