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2019.12.25

「アジアにおけるイノベーションのエコシステムを構築する」 ー8年目を迎えるAEAの魅力

「アジアにおけるイノベーションのエコシステムの構築」を目的に2012年に立ち上がった「アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)」

三井不動産、東京大学 産学協創推進本部、TXアントレプレーナズパートナーズ(TEP)、日本ベンチャー学会が共催となり、2012年の初開催以降、累計でアジア15の国と地域から181社のテクノロジーベンチャーを集めた実績を持っています。

10月にはAEA2019が開催され、今年は新しい血液ベースの敗血症検査の手法を提供するシンガポールのAcumen Research Labsが優勝しました。
今回のコラムでは、AEAの設立背景から、AEAがもつほかのイベントにはない特徴を紹介します。

日本発の国際的ビジネスコンテスト「AEA」

AEAはアジアを中心とした国と地域から先鋭のベンチャー企業が集う国際的なイノベーション・アワードです。3日間にかけて行われ、各国の大学や研究機関の起業家支援者による推薦されたスタートアップ企業が20社以上集まり、メンタリングセッションなどを行ったのち、最終日にピッチでビジネスモデルを競います。

第8回となるAEA2019 には、アジア圏14の国と地域から選出された注目のテクノロジースタートアップ27社がエントリーしました。通算でこれまで15の国と地域から181社が参加しています。技術系スタートアップの支援団体であるTEPと、東京大学で起業支援を行う東京大学 産学協創推進本部が共催していることで、他のピッチイベントにはないスタートアップが揃っているのも特徴の一つです。

また、AEAでピッチコンテストと合わせて力を入れているのが、アジアスタートアップと日本企業とのマッチングです。成長著しいアジアから若い起業家を呼び込み、大手民間企業や起業支援者と出会うことで、公・民・学が一体となったアジアのイノベーション創造におけるエコシステム構築を目指しています。

“ガラパゴス”な日本のスタートアップ環境を打開

第1回AEAが開催される前の2010年ごろ。スタートアップ・カンファレンスは世界各地で開催されていたものの、日本の企業や組織が主導するものはなく、当時の日本の起業活動率(各国の起業活動の活発さを測る指標)は先進国の中で最下位でした。
一方、アジアでは中国やシンガポールをはじめ、イノベーション創出の最前線で活躍する起業家が多く輩出されていました。

こうした日本のガラパゴスな状況に危機感を抱いていた各務茂夫氏(東京大学教授 産学協創推進本部 イノベーション推進部長)は、成長を続けるアジアの熱い風を日本のスタートアップコミュニティに送り込むべく、日本初のビジネスコンテストの立ち上げを決意しました。

「世界各国では、産学官連携によるスタートアップ・起業促進プログラムが、これまで以上に推進されており、米国に限らず、欧州や中国、 インド、シンガポール等のアジア諸国においても、アントプレナーシップがイノベーションの要であると位置づけられています。アジアが、世界におけるイノべーション拠点としてのイニシアティブを発現していくためには、一国内だけに留まらず、成長著しいアジア全体から、知恵や技術を駆使してチャレンジする若き起業家を呼び込む仕掛けづくりを行い、起業家はもちろんのこと、協賛いただく民間企業から起業支援者まで、創業育成のアジア・ネットワークを構築することが重要です。」

設立5年以内のテクノロジースタートアップ

AEAへのエントリーはテクノロジーベンチャーに限定され、設立5年以内という条件が付いています。さらに大学や研究機関、インキュベーション施設などからの推薦が必要になるなど、参加へのハードルは高く設定されています。
また、AEAは公用語を英語に統一。日本企業のプレゼンテーションやパネルディスカッションにおいても、例外ではありません。公用語を英語にすることで、グローバルな視点や、スピード感を日本にも持ち込みたいという想いが込められています。

得られるネットワークと支援の輪

AEAのもう一つの大きな特徴に、起業家のみならず、スタートアップを育成・支援する研究機関、民間企業、ベンチャーキャピタル、メンター、エンジェル等が世界中から集まる点があげられます。
各国の起業家支援関係者が集まることで、アジア規模での育成ネットワークが構築されます。それによりスタートアップのグローバル展開や、企業連携を後押しすることができています。

特に近年では、AEAに参加したスタートアップに対する実証実験フィールドの提供や、ビジネス支援を強化しており、2017年にAEAにて「柏の葉賞」を受賞したゲノムクリニックは、31VENTURES KOILにゲノムセンターを開設しています。
2018年の「第3位」および、「柏の葉賞」を受賞したヒラソル・エナジー社は、太陽光発電設備の保守管理IoTプラットフォームの試験運用を柏の葉エリアにて2020年1月から開始することが決定しています。

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2019/0425/
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2019/1031_01/

三井不動産 柏の葉街づくり推進部の西林加織は、柏の葉スマートシティを舞台としたAEAのグローバルな展開を構想しています。

「柏の葉スマートシティの大きな強みは、日本有数の国立大学、医療機関、研究機関など最先端の知が集結していることです。世界トップクラスのがん専門病院には毎日たくさんの患者さんが全国から来院され、大学や研究所では最先端のサイエンス研究に挑んでいます。全国で20拠点を展開している街づくりの推進主体のモデルとなったUDCKや、技術系スタートアップ企業の社会実装を支援するTEPと連携しながら、AEAを一過性のイベントではなく、街全体におけるスタートアップのためのエコシステムの醸成、ひいては世界的な繋がりや展開を描いています」

アジア最大のエコシステム構築に向けて

2012年に第1回AEAが開催されてから8年。国内のスタートアップを取り巻く環境は大きく変化しました。2018年度における国内のベンチャー投資実績は過去最高を記録しており、スタートアップイベントも多数開催されています。

しかし、アジア中から注目のスタートアップが集まり、様々なネットワークを築くことができるピッチイベントは他にありません。AEAは今後もテクノロジースタートアップを中心とした、大手民間企業から起業支援者まで、公民学が一体となったアジアのイノベーション創造におけるエコシステム構築を目指していきます。