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2015.09.01

「実現可能性を突き詰めて考えていくことで、 想像から裏づけのあるビジネスプランへと変わった。」

「31 VENTURES」参加企業の熱いストーリーを紹介する「MEET THE 31 VENTURES」。
第4回は、現在サービス立ち上げ中のベンチャー企業、株式会社シンデレラのストーリーを紹介します。
シンデレラシューズ」というシューフィッティングのwebサービスを開発している同社は、
31VENTURESのメンバーである光村氏がメンターを務めたKDDI∞Labo第8期チームで、最優秀賞を受賞しました。
今回は、8月に開催されたClipニホンバシにて行われているイベント「チラミセnight」に登壇した株式会社シンデレラの松本久美氏のプレゼンの様子お届けするとともに、メンターとして松本氏をサポートしてきた31VENTURESの光村氏に、これまでの取り組みについて語っていただきました。

  • 松本 久美(株式会社シンデレラ 代表取締役/CEO)大阪モード学園卒業後、大好きだった靴の業界に進む。デザイン・製図・縫製・営業・販売まで、靴が作られ顧客の手元に届くまでの川上から川下まで、すべてを一通り経験。その後、IT業界へ転身後。
    2014年11月TOKYO STARTUP GATEWAY セミファイナリスト
    2015年3月∞Labo 8期生採択
    2015年7月 EC上のバーチャルシューフィッター「シンデレラシューズ」をモニター募集スタート
  • 光村 圭一郎(三井不動産ベンチャー共創事業部)出版社勤務を経て2007年三井不動産入社。企業人・起業家・クリエイターのコラボ拠点「Clipニホンバシ」を立上げる。その他、スタートアップウィークエンドの審査員や∞Laboメンター等を経験。自身がメンターを務めたチーム「シンデレラシューズ」がKDDI∞Labo第8期の最優秀賞チームとして選出。

「ハイヒール=痛い」を覆す、シンデレラシューズ

「王子様と出会うシンデレラのガラスの靴、でももし靴擦れしていたら?王子様との出会いも台無しになってしまいます。」

童話シンデレラの例から「シンデレラシューズ」のプレゼンは始まりました。

「靴は女性の一日を素敵にも、台無しにも出来ます。ここぞというときにハイヒールを履かれる女性は多くいますが、絆創膏を貼られている女性の方もたくさんいます。
デザインやプライスを優先すると、フィッティングを諦めなくちゃいけない現実があります。
それを解決するのがシンデレラシューズです。
“シューフィッターが膨大な量のあるECから自分のために靴を選んでくれたら?”
私たちは、web上にバーチャルなシューフィッターを作り出そうとしているんです。
足の写真を片足2枚、両足で4枚、私たちに送ってください。
そうすると画像認識の技術により足の特徴を割り出し、そのまま靴のデータベースの中から独自のアルゴリズムによって、ぴったりなものをレコメンドします。
デザインとプライスで選んでいた靴選びに、フィッティングという概念を新たに付け加えます。」

元々靴業界でデザイナーとして活躍していた松本氏。女性の靴の悩みを深く知るからこそのサービスに、参加者の女性たちから深い共感の声が響きます。来年早々のローンチに向けて、開発を進めているWEBサービス「シンデレラシューズ」が、アイディアからどの様な過程を経て形になってきたのか、松本氏と∞Labo第8期チームでメンターとしてサポートとしてきた31VENTURES光村氏に話を伺いました。

現実可能性を突き詰めて考えていく

「シンデレラシューズ」のメンターを引き受けた理由は?

光村 (∞Laboには)山のように書類が来るのですが、一案ずつ見ていく中で、まず、名前が良いなと思いました。事業内容も面白そうだと思いましたが、「シンデレラシューズ」という響きが気に入りましたね。やりたいことが明確に伝わるなと。そして、実際に会ってみて、一緒に仕事をしてみたいなと思いました。人柄がやっぱり合いましたね。

松本さんにとっては、今回のチームはどうでしたか?

松本 ∞Laboは3ヶ月という期間に凝縮されているので、その分大変でした。でも、年が近かったこともあり、みんなすごく仲が良いチームだったんです。光村さんのほか、色々なバックグラウンドを持ったメンターの方がいましたが、皆さんとても返信が早くて、気になったことがあればすぐに聞ける環境でした。主に、 SNSを使ってやりとりをしていて、夜遅い時間でも返信をくれる。短期間でアイディアを形にしていく上で、アクションが早いのは本当によかったです。実際にプログラムが終わった今でもメンターの方々とのやりとりは続いています。

光村さんはメンターとしてどのような支援をしたのですか?

光村 特別なことはしていないですよ(笑)。∞Laboでは、3ヵ月間の活動期間の中でアイディアをカタチにすべく、サービスを開発しなければいけません。シンデレラシューズは当初からターゲットもコンセプトも明確でした。ただ、アイディアを支えていたのは「こういうのがあったら良いよね」という想像だったので、私は、実現可能性を突き詰めて考えるお手伝いをしました。そのプロセスを経ることで、シンデレラシューズのコンセプトやターゲットが、想像から裏づけのあるものへと変わっていきました。

その過程で試行錯誤したことは何でしょうか?

光村 例えば本当に写真で足の測定が問題なく行えるのか?もしかしたらリアル店舗にスキャナーを置く方が良いのではないか?いや、やっぱり店舗の在庫からしか選べないのは種類も限られるからECにこだわろう、と。実現に必要なことを一つ一つ検証していきました。それが思ったよりもうまくいかず大変でしたね。その過程を経て裏づけのあるものに変わったからこそ、シンデレラシューズの完成度も上がっていったと思います。とはいえ、靴をECで買うことがどれだけの人に受け入れられるのか、実際にどれだけの人が使ってくれるのかは始まらないとわからない部分なので、まだまだこれからです。

「シンデレラシューズ」は、アイディアもコンセプトも明確だったようですが、どのようにしてこのアイディアに行き着いたのでしょうか?

松本 私自身の大きなミッションとして、「女性が自分らしく綺麗になる」ことを掲げています。じゃあ、そのために自分は何が出来るのだろうか?と、自分の棚卸しをしてみたんです。靴業界に13年間も居て、デザインも出来るし製造も理解している。やりたいことと自分が実現できることの重なる部分が、やっぱり「靴」でした。胸を張ってプロと言えるのが、「靴」なんだな、と。それで「靴」に関する新たな事業を立ち上げようと思いました。

なるほど。その際に、ご自身のブランドを立ち上げるわけではなく、ITを使ったサービス提供を選んだのはどうしてでしょうか?

松本 はじめはオーダーメイドブランドの立ち上げることを考えていました。その過程で、WEB上から足の測定ができたらと思っていたんです。それで、ITを知らないと何も出来ないなと思い、靴業界に13年間いた後、IT業界で2年半働きました。IT業界に身を置いたことで、スタートアップ業界のことも知ることができたのですが、まだその時でもオーダーメイドの自分のブランドを作ろうとしていました。 そしてある時、新サービスの資料作りをしている中で、ふと気がついたんです。靴はもういっぱい世の中にあるのだから、作るのではなく、選ぶほうがより多くの人に靴の魅力を伝えられるし、多くの人を笑顔に出来るなって。

その後、メンバーはどのように増やしていったのでしょうか?

松本 スタートアップの勉強会や集まりなどで、向こうのほうから「良いサービスだね、面白いね」と声をかけていただくこともありますし、私のほうから誘うこともあります。創業メンバーは、初めて参加したビジネスコンテストで出会いました。物理学者とデザイナーです。最初は私一人だったのですが、今では全6名でほかにWEBエンジニア1名と、統計学の専門家でアルゴリズムの補佐が2名います。

とても多様なバッググランドを持ったメンバーが揃っていますね。スタッフが増えていく中で、「シンデレラシューズ」はどのように成長していったのでしょうか?

松本 具体性がぐっと高まったなと思います。以前、私一人だったときは、「できるだろう」という想定だったものが、アルゴリズムを理解しているスタッフや統計学を学んだスタッフが加入したことで、具体的なサービスへなっていきました。また、∞Laboからずっとお世話になったメンターの方も気にかけてくれており、今も一つのチームのようです。

いまはどこを拠点に活動されているのでしょうか?

松本 まだほとんどのメンバーがダブルワークで、サービスローンチ前ということもあり拠点を構えておりません。なので、打ち合わせにはClipニホンバシを使っています。測定会やミーティング、商談、全部ここでやらせてもらっており、ヘビーユーザーですね。

多くの女性たちの靴の悩みを解決する「シンデレラシューズ」。デザイン、価格、はき心地、全てを満足させたい女性たち待望のインターネットシューフィッティングサービスへの期待は膨らむばかりです。

では、続いて「チラミセnight」のイベントの様子もお伝えします。

チラミセnightとは
Clipニホンバシで毎月第一水曜日に開催しているイベントです。
様々な分野で新たな仕掛け作りを行っている”仕掛けづくリスト”をゲストに迎え、仕掛けの裏側を「チラミセ」してもらいます。

それぞれの個性が冴え渡るプレゼンテーション

次世代木造住宅で、日本の森林を守りたい!

手押し車の世界最小のキッチンカーで、新たなランチスポットを

「マルシェに長年携わりながらも、マルシェに関しては日本の法律って厳しいんです。売れるもの売れないもの、どうやって売るのか、厳しい。
そこで考えたのが、アイスカートです。温度管理・鮮度管理が出来る世界最小のキッチンカーであり、wifiも充電もできるようなインフラスポットともなれるような手押し車です」。

参加者からも、「出先でランチをしながら携帯の充電が出来るのは嬉しい」といった意見などが寄せられました。

本業のノウハウを活かした新規事業を創る

趣味であるアウトドアの話で会場を沸かせてから本題へ。一気に参加者との距離が縮まります。三井不動産グループのノウハウを駆使した新規事業を創るべく「その先の、オフィスへ」の実現に奮闘中。
ウィルスバスターオフィスや、雨の日BGMがかかるオフィスなど、健康増進で快適なオフィスについてのアイディアをチラミセしてくれました。
「これから人口も減っていくとオフィスで働く人は少なくなる。だから新規事業を創れ!と言われたのが私たちの部署なんです。今は面白法人カヤックさんと“ビルとも”のコンテンツを一緒に考えたり、コミュニケーションの観点で何か面白いことは出来ないかと模索しています。コミュニケーションでその先のオフィスを目指します。」

星野 耕平氏 | 三井不動産ビルマネジメント株式会社
ビジネスソリューション事業推進部課長

若者が変わる、地域が変わる!コラボレーションの力で地域課題を解決

これまで、「地域コ・クリエーション(共創)研究」に従事し、地域創発ファシリテーターとして、自走型の地域活性を実現してきた三田愛さんからは、地域コラボレーションの可能性を語っていただきました。 「地域の課題はいろんなものがあります。それを、未来創造型のアプローチで解決していくのが地域コラボレーションです。例えば熊本県、若者が変わってきたな、というのが年長者たちにもわかって色んなコラボレーションが生まれました。将来は、地域と地域を結びつける、国も都市も越えて、どんどんとコラボレーションしていきます。」

「面白い恋人」の生みの親が伝える、人に響く企画とは

ラストに登場したのは、吉本興業であの銘菓「面白い恋人」を生み出した下川太樹さん。
独立した現在は、京都土産「白ぬりの濃い人」など続々と新たな企画に携わっているそうです。

「自分が欲しいものを作らないと意味が無い。自分の欲しいものを作ろう!」
「直感的であれ評論家になれ」
「アホこそものの好きになれ」

言葉一つ一つがストレートに伝わってくるプレゼンで会場は多いに沸き、右脳的発想に多くの参加者が刺激を受けたようです。

熱気止まぬ懇親会で生まれる新たな出会い

最後は、今日のプレゼンの感想、コラボレーションアイデアを書いたカードをイベント参加者から登壇者へ直接渡す懇親会です。こういった場から、新たなコラボレーションが生まれるのもClipニホンバシならではの魅力です。

取材日 2015年09月