STORY 2015.05.29 UPDATE

FULLER、KOIL内でオフィス拡張移転 (3)

31VENTURES KOIL内での株式会社FULLERの拡張移転、レポート第3弾

代表取締役CEOの渋谷様にお話を伺った第1回、5月9日に行われた引越しの様子をレポートした第2回に続き、今回は引越し終了後の打ち上げパーティでの、刺激と発見に満ちた会話をお届けいたします!

伊藤園角野様、FULLER渋谷様、櫻井様を中心に、今回FULLERのオフィスに導入された伊藤園によるお茶殻のリサイクル商品「さらり畳」の販売をされている株式会社北一商店の松永様も交え、和やかにお話が進みました。

角野様のシリコンバレーでの奮闘、
そしてFULLERとの出会い

ーまず、伊藤園角野様とFULLERさんの出会いについて教えてください。

角野さん「私は1年前までサンフランシスコに住んで、5年ほどシリコンバレーで営業をしていました。営業を始めてちょうど1年が経った時、何か新しいこと、インパクトのある仕事がしたいと思って、Googleやfacebookなどに営業に行ってみたんです。すると彼らは社員に対してフリーランチとかフリードリンクをやっていた。これは日本には無いなと。ここに『おーいお茶』を導入してもらえれば沢山売れるし広告にもなる。それでIT企業に飛び込み営業をしてみたんですが、なかなかうまく行きませんでした。そんなときにエバーノート日本法人会長の外村仁さんにお会いする機会があってご相談したら、『シリコンバレーはエンジニアの街だからいきなりオフィスに飛び込むのではなく、まずエンジニアと仲良くなることから始めたら』とアドバイスをいただいたんです。」

角野さん「そこで、様々なミートアップにお茶をもって行ったんです。すると意外にウケたので、『良いと思うならみんなのオフィスに入れてくれ』と言うと、エンジニアの人たちが社内で動いてくれて部門に繋いでくれました。シリコンバレーの人たちは口だけではなく本当にやってくれるんですよ。そこからはYahoo!のトップやFacebookの人たちなどとも仲良くなっていって、2~3年でほとんどのIT企業に『おーいお茶』を入れてもらえるようになっていたんです。」
角野さん「ちょうどそのころ渋谷さんがシリコンバレーに来て、外村さん経由で知り合ったんですよね」

渋谷さん「元々当社に出資してくれていた投資家がエバーノートにも出資していて。そのご縁で外村さんを紹介していただきました。2年前くらいですね。僕が最初にサンフランシスコに行った時は外村さんの家の地下室に泊めていただいたんですよ(笑)1週間くらい。そのときに角野さんを紹介してもらったんです」

オフィスに畳を導入した理由、狙い

角野さん「正直この畳、安くないんですよ。だけど僕はどうしても入れて欲しかったから、販売をされている北一商店の松永さんにも直接話してもらいました。FULLERさんはこれからどんどん伸びて、日本で大きなインパクトを与える会社になると思う。その会社が普通に机とイスだけでやってるんじゃなくて日本文化である畳とお茶で、たとえば海外の人と打合せをする、社内の会議もそういう環境でやる。畳で寝っ転がったりお菓子食べながら話すことで違うコミュニケーションが生まれて新しいアイデアが出てくるかもしれない、そういうことを期待しているんです。シリコンバレーのマネばかりではなく、そういう日本独自の文化から新しい創造性を生んでいきたいんですよね」
角野さん「こんなこと僕が言うのは偉そうかもしれないですけど、むこうに5年間いて一番感動したのは、シリコンバレーの人たちって、自分がお金持ちになろう、自分の会社を大きくしよう、ということよりも、世の中に早い速度で良いインパクトのあるものを出していくということに命をかけているようなところがあるんです。そのためだったら自分がやらなくても良い。ともだちが出来るならそれをサポートする。同じような考えをもっている人がいれば一緒にやる。それがすごくいいな、カッコいいなと思って。日本のスタートアップの人たちにそういうことをお伝えしていければいいなと思ってるんです。」

櫻井さん「一方で、良く言われることですけど、海外に行くと日本の良さを感じます。シリコンバレーはカッコいいけど日本の畳もカッコいい。日本の若い人が本質的なカッコよさをわかってないことが残念だと思っているんです。想いがあって、ここまで相手のことを考えてサービスを創っている日本人ってカッコいいだろ!と。そういうところから僕たちのITサービスは生まれているんだよと。そういうストーリーが語れると世界で戦えると思う。この畳は、その象徴ですね」

畳が創る新たなワークスタイルとは

櫻井さん「畳はテーブルでもあってイスでもある。ベッドにもなる。そういう多機能性も日本的な長所ですね」

渋谷さん「そういう、日本ならではの靴の脱ぐ文化っていうのは僕たちはずっと大切にしていて、もともと今までの当社オフィスはずっと靴を脱ぐことにしていたんです。今回、オフィスが今までよりもずっと広くなって、どうしようかなと思っていたんですが、やはり靴を脱ぐ場所は創ろうと」

櫻井さん「でも、『さらり畳』導入はすごく迷いました。コストコントロールも必要だし。決断した理由の1つは、『縁』ですね。この畳には、角野さんや松永さんが『いる』んですよね。それと、畳は例えばハンモックよりも縁を感じやすいのかなと。空間を共有しますからね」

櫻井さん「今日のオフィス移転でも、社員だけではなく当社に関係していただいている皆さんと手作りで机を創りました。そういうところから育まれる縁を大切にしていく。それってマイノリティの意見なのかもしれないですが、でも僕はそれを大切に考えたいんです」

角野さん「そういうところからしか、違いは生まれないですよね。」

畳オフィスから
世界へはばたくベンチャーを生みだそう!

角野さん「いま僕はスタートアップ系の色々な施設に『さらり畳』の導入をすすめています。畳のオフィスが今後どんどん広がっていけばいいと思っています。そして、『ITをOEN(応援)するITOEN』として活動を広げていきたいですね。」

渋谷さん「北一商店さんも、KITAICHI、でITが入ってますよね(笑)」

松永さん「IT、ICHI番、ですね(笑)」

渋谷さん「日本の若者たちが畳ってクールだと思って、導入するベンチャーがどんどん増えていって、100年経ったら世界と大きな差が生まれているかもしれない。」

櫻井さん「それと、この畳は、フチなしで正方形で、伝統的な畳とはデザインを変えていて、そこも仕掛けの1つですね。現代の生活様式やデザインの中での畳の居場所を創っている。これ、単純にカッコいいですよ」

櫻井さん「日本独特の、人間に近いワークスペースとして、これが広がっていったらいいと思います。ポイントは、若いベンチャーたちにはその感覚が実は失われつつあること。畳で育った人がそもそも少ないですよね、僕はたまたま畳で育ってきたんですが。」

ー畳が生むコミュニケーションは、ソファが生むコミュニケーション、イスが生むコミュニケーションとは異質のものになる。靴を脱いで囲んだときに生まれる「内輪感」、それは外国人はもちろん若い日本人にも実は新鮮なのかもしれないですね。

櫻井さん「畳は、会話の質を変える力を持っている。フレンチに行った時の会話と居酒屋での会話は質がちがう。そういう違いを生みだすことができますよね。それはすごく大事なことだと思います。ここから新しい潮流を創りだしていきたいですね」

角野「FULLERさんには、この畳から世界に羽ばたいてほしいですね!世界中にオフィスを創って、そこにこの畳を導入してください!」

畳の導入に込められた、深い洞察と狙い。オフィスを変え、ビジネススタイルを変え、そこから世界のITをリードする。これからのFULLERに期待したいと思います!