REPORT 2019.06.04 UPDATE

乳がん・卵巣がんの発症リスクを遺伝子から判定する「BRCA Seq」の流れ

2019年に31VENTURES KOILにオープンした「ゲノムクリニック」。ここでは乳がん・卵巣がんの発症リスクを知ることができる「BRCA Seq(ブラカ・シーク)」のカウンセリングと唾液の採取を行っています。自身のがん発症リスクを知ることで、早期発見や治療につなげることができる「BRCA Seq」は実際にどのように行われるのかを、代表取締役で医師の曽根原弘樹さんに教えていただきました。
WEB予約
まず、「BRCA Seq」を受けるためにはWEBからの予約が必要です。
https://genome-clinic.co.jp/brca-seq/
現在、乳がん・卵巣がんにより日本では年間約2万人が亡くなっています。乳がん・卵巣がんは他のがんと同様、早期に発見し治療することが重要ですが、いまだ十分ではありません。これまでの研究から、乳がん・卵巣がんを発症した方のうち、約10-15%は生まれながらに遺伝子のリスクを持っており、がんを発症しやすいことが分かってきました。もちろん血縁者に乳がん・卵巣がんを発症した方が多くいる場合はリスクが高いですが、そうではない方にも時に遺伝子の異常があり、がんを発症しやすいことが最近の研究で明らかとなりました。「BRCA Seq」は乳がん・卵巣がんのリスクを発症前にあらかじめ知り、適切な検診で早期にがんの治療につなげられる検査です。

「BRCA Seq」を受けるには条件があり、以下にあてはまる人が利用可能となっています。

・20歳以上
・乳がん・卵巣がんを発症していない
・濃厚な家族歴(※)がない

※…母・おば・姉が乳がん・卵巣がんを発症している、などの状態。こうした方は特にリスクが高いため、より詳細な検査を受けられる医療機関の情報を提供しています。
もし濃厚な家族歴であるか判断がつかない場合もまずはゲノムクリニックに相談してほしいとのことです。検査に必要な費用は39,500円(税抜)で、2019年5月時点において国内で最も安価に受けることができます。
カウンセリングと説明
予約後に訪れるのは、柏の葉キャンパス「31VENTURES KOIL」内にある同クリニックの“ゲノムセンター”。6階の個室にて、BRCA遺伝子のしくみや検査の概要について説明を受けます。カウンセリングは15-30分程度で、検査結果の情報の取り扱いへの同意書や、ご自身や家族のご病気などのヒアリング行います。
検体を採取・提出
判定に必要なのは唾液のみ。血液検査などはありません。専用の容器に必要量の唾液を入れて提出します。また唾液採取に関しては、当日の体調によって影響を受けるものでもないので、事前に体調を整えていただく必要はないとのことです。
唾液を採取するために、日本人は「梅干し」の画が良いとのことで「梅干し」の画像も用意されています。(海外の方には「レモン」を使うそうです。)
遺伝子を解析し、判定を行う
唾液から抽出したDNAから、次世代シーケンサー(遺伝子の配列を高速で読み出すための装置)を用いてBRCA遺伝子の配列を決定し、国際データベースと照合してリスクの有無を判定。結果は「病原性あり(高リスク)」「病原性なし(低リスク)」「VUS (Variant of Unknown Significance」の3つに分かれます。「VUS」とはまれに見つかる「現時点のデータベースからは『意義が不明』と判定される変異」のこと。データの継続的なアップデートによって結果がわかった場合は後からお知らせします。

結果を通知
検査結果が出るまでの期間は1~3ヶ月程度。 「低リスク」の方には郵送による結果送付、「高リスク」「VUS」の方にはゲノムセンターにて再度カウンセリングを行い、がんの早期発見や治療に関する情報提供が行われます。

ゲノムクリニックの「BRCA Seq」は一般的な消費者むけ遺伝子検査と違い、データ解析後のフォロー体制が整っているところも大きなポイントです。検査でわかることは「病気になるリスク」であるため、リスクが高かったとしても「未発症」の状態。ゲノムクリニックでは千葉大学附属病院や地域の人間ドックなどと連携し、がんを早期発見し治療につなげる取り組みを行っています。

ぜひコワーキングスペースでの業務の合間や、AGORAでのランチの合間にゲノムクリニックでBRCA Seqを受けてみてはいかがでしょうか。