EVENT REPORT 2017.06.19. UPDATE

[開催レポート]6/13 越境会議 Vol.1

2017年6月13日

場 所 Clipニホンバシ

「レンタル移籍」「留職」による、イノベーションを生む人材育成、その方法と成果を共有しました
31VENTURES では、ベンチャー企業の成長や大企業による事業創出、そして両者のマッチング等を支援することにより、イノベーションの実現に取り組んでいます。その一環として、「イノベーション人材育成」に力を入れている株式会社ローンディールと一緒にシリーズイベント「越境会議」を開催することとなりました。
2017年6月13日、第一回目の「越境会議」が31VENTURES Clipニホンバシで行われました。この日は小雨のパラつくあいにくの天気でしたが、会場を埋める多くの皆様にお越しいただきました。
第1部のセッションでは、まず、株式会社ローンディールの原田未来代表取締役社長とテクノライブ株式会社の後藤幸起取締役に、「越境学習」の内容と、実際に後藤さんが体験した内容をご紹介いただきました。

原田さんからは、イノベーションが求められる現在、創造・変革に取り組む人材を生み出すことが重要で、その方法論として大企業社員がベンチャー企業に「レンタル移籍」することが有効だ、ということを様々なかたちでご説明いただきました。

後藤さんは、現職に至る経緯のご説明、自社の事業説明のあと、今回レンタル移籍に取り組んだ理由を「会社としては受託開発への危機感から新たな事業領域開発を進める人材を必要としている。個人的にはベンチャーでの事業開発を体験しスキルを得ると同時に自分の力を試したいと思った」とお話しされました。
後藤さんが出向したのは、全国の先生をサポートする事業を展開する教育系ベンチャー、「株式会社LOUPE」です。移籍時の社員数は2名。この会社で、営業の体制づくり、営業企画、評価制度の策定、実際の新規獲得営業、あるいは採用から労務管理まで、6か月の間に幅広い業務を行ったことをご紹介いただきました。
次にご登壇いただいたのは、NPO法人クロスフィールズの経営管理統括/法人営業マネージャー中山慎太郎さんと、ハウス食品グループ本社株式会社の加藤大貴さんです。

クロスフィールズは、国内の大企業社員が一定期間、社会課題にとりくむ海外の企業やNPOに「留職」するプログラムを運営しています。中山さんからは、このプログラムの概要と、「新興国のNPO・企業にとっては日本企業の力を活用して課題解決を加速でき、日本の大企業にとってはリーダーを育成することができる」という、留職の価値と狙いをご説明いただきました。
加藤さんからは、ハウス食品の事業やご自身の経歴、ご家族との生活の様子などをご紹介いただいたあと、ご自身の留職経験について語っていただきました。
加藤さんが留職したのは、インドネシアのチョコレートメーカー。100グラムの板チョコが300円ほどの商品で、これは現地ではとても高価なものになります。文化も生活習慣もビジネス慣習も違う国で、予想以上に英語も通じないという環境の中、どうやって拡販するか。加藤さんの活動領域は、営業、販売、日本への輸出支援、製品の改良と多岐にわたりました。最初の1か月は本当につらかった、という加藤さん。しかし、多様な同僚や異なる環境でのビジネスから多くを学び、最後には先方にも心から感謝してもらえたと思う、本当に行って良かった、とお話しされました。
第二部は、パネルディスカッション。WEBによるコメントツールを使い、その場で会場の皆様から匿名での質問を受け付けながら進行しました。
まず、後藤さんと加藤さんに書いていただいた充実曲線をもとに、山あり谷ありの経験を振り返っていただきながら、留職経験のポイントをお話ししていきます。思わぬところに障害があり、苦労しながら課題を克服していったお話はとても迫力のあるものでした。
この日参加された皆様は、越境学習を具体的に検討したい意欲の強い方が多く、コメントツールに寄せられた質問のほか、挙手されてご質問される方も多く、とても充実した質疑応答となりました。
「海外のスタッフに多くを学んだ。会社の業務の中に、会社のミッションとは別に自分のミッションを持つようになった」というお話しや、「1年以内という期間は成果を出すには短いのではないか」というご質問に対する「ベンチャーのスピード感は大企業とは違う」というご説明、さらに「それ以上に長いのはキツイです(笑)」という体験者お二人の実感のこもったお答えなど、印象的なやりとりが多くなされました。
また、留職者が会社に戻って活躍するための方法をご説明されている中で、中山さんのおっしゃった「事業創出タイプの人材には、社内外のネットワークや応援者が重要。折れたとき、打ちのめされたときに承認してくれる人が必要」というお話は、コミュニティを大切に考える31VENTURESの取り組みとも大きく重なるものでした。
そして、懇親会です。様々な企業からお集まりいただいた多様な参加者のみなさまが、今のお話を踏まえて熱心に語り合っていらっしゃる姿がとても印象的でした。

31VENTURESでは、日本企業がイノベーションを創出するための種やヒントをさまざまなかたちでお届けしてまいります。今後の活動にぜひご期待ください。